Q.熱中症の予防にスポーツドリンク様の飲料で水分補給したいが,家庭でも作れますか? 食塩等の割合は?

経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)は,軽度から中等度の脱水が起きた時,水分や電解質を補うため,ナトリウムなど電解質とブドウ糖を一定の割合で配合して経口する補水液のことです。発展途上国のコレラ等の下痢による脱水症の治療のためにWHOにより開発されました。医薬品にはソリタ™T配合顆粒2号・配合顆粒3号,厚労省認可・特別用途食品にはオーエスワン(OS-1)PETボトル・ゼリー・パウダー,アクアライトORS(和光堂)などがあります。
普通の水道水は,塩分や糖分が含まれていません。

スポーツドリンクを飲ませるという人もおりますが,スポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウムムやカリウムの量は経口補水液の半分以下です。ジュース類も糖分が多く浸透圧が高いため脱水を招く恐れがあり,避けたほうがよいでしょう。市販の経口補水液が手に入りにくければ,家庭でも作ることもできます。

【家庭で作る方法】

1.水1Lに白糖40g,食塩3gを溶かし,レモンなどの果汁を加えると飲みやすくなります。また,カリウム補にもなります。
嘔吐があればすこしずつ飲ませましょう。
調製した補水液は、24時間経過したら破棄しましょう。

2.緊急時には,水1Lに対して砂糖大さじ4.5杯,塩小さじ1/2杯で作ります。
つまり,コップ一杯のお湯に,ひとつまみの塩と一握りの砂糖を入れるとできます。

【医薬品情報管理室】

Q.疲れると口唇ヘルペスが現れます。病院にいくと時間がかかるので,市販の何かよいお薬がありますか?

口のまわりに痛みを伴う水ぶくれをつくる口唇ヘルペスは,ヘルペスウイルスが原因でおこる感染症です。1回感染すると症状が治まった後も,ヘルペスウイルスはひそかに体内にひそんでいるため,免疫力がおちてくると再発しやすい病気で,一般的に抗ウイルス薬の軟膏やクリームで治療します。
抗ウイルス軟膏薬は,ウイルスが増えるのを抑える薬なので,できるだけはやく使い始めるほうが効果的です。

すぐに病院に行きたくても時間がかかるので受診できない人のために病院でも処方されている抗ウイルス薬アシクロビルを5%配合している軟膏であり,「口唇ヘルペスの再発」に限り使用できるアクチビア軟膏とヘルペシアクリーム,ヘルペエース(軟膏)が発売されています。医療用の「アラセナーA軟膏3%」,「アラセナーAクリーム3%」と同じ3%ビダラビンが肺胞されているアラセナSは軟膏,アラセナSクリームはクリームタイプが発売されています。使用できるのは過去に医師により口唇ヘルペスと診断され治療を受けたことがある人に限られます。

初めて症状がでたような場合には,症状が重症化することもあるため,必ず医師の診断・治療を受けることが必要です。
唇やその周りに,ピリピリ,チクチク,ムズムズといった再発の症状が現れている初期の段階では,ヘルペスウイルスが活発に増えている時期なので早めに上記の軟膏を使用することでウイルスの増殖を抑制し症状がひどくなるのを予防します。

使用期間は10日間程度が目安ですが,かさぶたができて患部が乾燥すれば,薬の使用を中止してもかまいません。

また,5~7日間使用しても症状が改善されない場合,あるいは悪化するような場合には,症状が重いか,ほかの病気の可能性もあるため使用を中止してすぐに受診しましょう。
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