Q.ステロイドの塗り薬を塗ると皮膚が黒くなると聞いたので,塗るのが心配です。

ステロイド外用剤は,皮膚を黒くする作用はありません。
皮膚の強い炎症が起こった場合,メラニンの沈着が起こる為に皮膚が黒くなります。ステロイド外用剤は皮膚の炎症が起きた時に塗りますが,炎症が起きて赤くなっている皮膚の下には黒くなった皮膚が隠れています。炎症が治まった時に黒ずみだけが残り,結果的にステロイド外用剤を塗ると皮膚が黒くなるという誤解が生まれたようです。色素沈着は炎症が治まれば半年くらいで消えます。慢性の炎症の場合,ステロイド外用剤を正しく使用し,炎症を最小限に抑えていくことで,かえって,皮膚が黒くなるのを防ぐことができるのです。2週間を超えて長期連用する場合は,皮膚萎縮等の副作用が起こる可能性があるのも事実です。長期に渡って使用する場合は,医療機関を受診し,医師の指示に従って下さい。


ステロイド外用剤はできるだけ,使用しない方がよいと考える薬剤師は多く,炎症が治まったら使用中止するように説明する方が多いように思います。
患者様もできるだけステロイドを使いたくないので,中途半端なところで薬の使用を中止する事が多いのです。その結果,炎症が続き,ステロイド外用剤を長期に渡りダラダラと使用することになり,症状がなかなか改善されず,皮膚の黒ずみが気になるという結果になってしまいます。
ステロイド外用剤は副作用だけがクローズアップされますが,効果効能を正しく理解して指導して下さい。

作成年月日:2011.9.29
【OTCチーム,医薬品情報管理室】