褥瘡とその周囲の汚れや細菌を洗い流すために洗浄します。褥瘡予防・管理ガイドライン第4版においても「十分な量の生理食塩水又は水道水を用いて洗浄する」ことが推奨されています。したがって、人肌くらいに温めた生理食塩水又は水道水に少し圧をかけて洗浄します。水道水で洗浄する際に石鹸を用いて洗っても構いません。ただし、きれいに洗い流してください。
消毒については以前からポビドンヨードによる消毒が行われてきましたが、洗浄のみでも十分に細菌を減らすことが出来ることから、消毒は通常は必要なく、「明らかな創部の感染を認め滲出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい」とされています(褥瘡予防・管理ガイドライン第4版)
作成年月日:2016.2.19
更新日:2020.7.1
皮膚が長時間続けて圧迫されることにより、圧迫されている部位の血行が悪くなり、皮膚がただれたり、傷ができてしまうことです。一般的には「床ずれ」とも呼ばれます。
寝たきりなどでベッドのマットにより圧迫されたり、車いすの座面により圧迫されることなどによる発症がよく知られています。
褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっていたら、人差し指であかくなっている部分を3秒軽く圧迫し、白っぽく変化するかどうかを確認します。白くなり、指を離すと再び赤くなるのは褥瘡ではなく、押しても赤身が消失せず、そのままの状態であれば、初期段階の褥瘡です。褥瘡の可能性がある場合は医師または薬剤師に相談しましよう。
作成年月日:2016.2.19
喘息治療の目標は「健常人と変わらない日常生活が送れること.正常な発育が保たれること」「夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく,十分な夜間睡眠が可能なこと」「喘息発作が起こらないこと」「喘息死の回避」などとともに「ぜんそく薬の副作用がないこと」も喘息予防・管理ガイドラインに挙げられています.
喘息の治療では喘息の予防と発作の治療とを区別して行います.また喘息の重症度に応じてどの薬をどのくらい使用するかを段階的に決定して治療をおこないます.
発作を予防する薬(コントローラー)は,気道の炎症を治療する薬剤であるため,症状が治まっても継続することが重要です.目立った症状が出ていなくても気道の炎症は完治していない場合があるからです.コントローラーに対し,発作が起こった時に使う薬(レリーバー)は狭くなった気道を拡張して発作を鎮める薬剤です.レリーバーは使用するタイミングが重要で,少し調子が悪いと感じたときに使用することで症状がひどくなるのを防げます.しかし,レリーバーを必要以上に使用すると,効果が悪くなったり,副作用が出やすくなりますので,レリーバーの使用回数が増えた場合は医師に相談しましょう.
作成年月日:2016.1.28
空気の通り道である気道が慢性的な炎症を起こしている病気です.気道とは,平滑筋という筋肉で囲まれ,粘膜で覆われている空気の通り道です.炎症によって敏感になった気道が様々な刺激に対して反応して狭くなることによって下記のような症状が発現します.
喘息の症状
・発作的に呼吸困難(ヒューヒュー,ゼイゼイ)が生ずる,朝方,息苦しさで目が覚める
・痰を伴う咳(気道に炎症がある)
・台風など気圧の変化,気温の変化,線香の煙などの刺激で息苦しさが出現する
喘息の有病率は小児で11~14%,成人で6~10%と報告されています.成人の喘息死の割合は1980年に6,370人,2011年には2,060人と減少傾向ではありますが,未だに多くの方が喘息で命を失っています.
作成年月日:2016.1.28
① 濃い味だとわかるが薄い味がわからない
② 味が全く感じられない
③ 何も口に入っていないのに苦みや渋みなどの変な味がする
④ 特定の味のみわからない(甘みは分かるが塩味はわからないなど)
作成年月日:2016.1.27
眠れないとのことで、精神的、身体的にしんどい状況と察します。まず、不眠症ですが眠れなくなった原因など何か心当たりがありますか?また、どういった不眠症状であり、眠れない期間はどれくらいですか?
その2点をお医者さんに伝えることで、お医者さんは薬物治療を行うべきか、あるいは薬物を用いない治療を行うべきか考えられます。また、併用薬があれば必ず伝えるようにして下さい。
不眠の原因は様々です。例えば、心配ごとやストレスなどの心理的な要因、痛み、かゆみ、咳などの身体的苦痛、寝具環境の変化、テレビ、携帯電話などの光や音なども不眠の原因となります。
不眠のきっかけとなった可能性のある事項をお医者さんに具体的にお伝え下さい。そして、不眠の性状と不眠の期間についても、治療と関係がありますので、お伝え下さい。
睡眠薬についてですが、不眠の性状により薬を選択します。例えば、寝つきが悪い場合は短時間のみ作用をする睡眠薬を選択します。入眠後、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚めてしまう場合は、作用時間の長い睡眠薬を選択します。
睡眠薬だけでなく、不安感などからくる不眠の場合は抗不安薬を睡眠薬として用いる場合があります。かゆみが原因で不眠になってしまった場合は催眠作用のあるかゆみ止めを用いる場合があります。睡眠リズムが崩れたことで生じた不眠には、睡眠リズムを整えるための薬を処方されます。
このように睡眠薬は睡眠の性状により選択されるので、症状をしっかりとお医者さんに伝えるようにしましょう。
作成年月日:2015.12.16