Q.喘息とはどんな病気ですか?

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空気の通り道である気道が慢性的な炎症を起こしている病気です.気道とは,平滑筋という筋肉で囲まれ,粘膜で覆われている空気の通り道です.炎症によって敏感になった気道が様々な刺激に対して反応して狭くなることによって下記のような症状が発現します.

喘息の症状

・発作的に呼吸困難(ヒューヒュー,ゼイゼイ)が生ずる,朝方,息苦しさで目が覚める
・痰を伴う咳(気道に炎症がある)
・台風など気圧の変化,気温の変化,線香の煙などの刺激で息苦しさが出現する

喘息の有病率は小児で11~14%,成人で6~10%と報告されています.成人の喘息死の割合は1980年に6,370人,2011年には2,060人と減少傾向ではありますが,未だに多くの方が喘息で命を失っています.

作成年月日:2016.1.28

【日本原店 医薬品情報管理室】

喘息の定義 [喘息予防・管理ガイドライン2015(日本アレルギー学会)]

「成人喘息は気道の慢性炎症,可逆性のある種々の程度の気道狭窄と気道過敏性の亢進,そして,臨床的には繰り返し起こる咳,喘鳴,呼吸困難で特徴づけられる閉塞性呼吸器疾患である」

喘息の病態生理学

吸入した空気は,気管→気管支→細気管支→肺胞と流れていきます.気管支の末端にある肺胞は毛細血管に囲まれており,ガス交換(酸素⇔二酸化炭素)が行われます.喘息では気管支から細気管支にかけて病変が起こります.発作の時には平滑筋という筋肉でできている気管支,細気管支が収縮して気道が狭くなります(狭窄).また,気道の粘液の分泌も増えてさらに気道が狭くなります.

この気道の狭窄は適切な治療を行うことで健常な状態に戻すことができますが,適切な治療を行わず,発作が繰り返されることで気道の壁が厚く固くなっていきます(気道リモデリング).

喘息の発症,悪化を引き起こす因子

アレルギーによる危険因子:チリダニ,ネコ,イヌ,カビ,ほこり,花粉など

アレルギーによらない危険因子:風邪などの感染症,タバコ,大気汚染,気候など

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