Q.褥瘡の治療方法は?

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褥瘡の状態を正確に判断し、その状態に適した薬剤やドレッシング材(患部を保護し湿潤環境を整えるための被覆材)で治療します。同時に患部への圧迫、ずれなど褥瘡発生の直接の原因を取り除くことや、栄養状態の改善など二次的要因の改善も行う必要があります。

 

作成年月日:2016.2.19

【日本原店 医薬品情報管理室】

スキルアップ

 

 

 

  • 褥瘡の状態の分類方法

褥瘡発生直後から1~2週間の時期を急性期、それ以降を慢性期と呼びます

慢性期褥瘡は、褥瘡の深さ・滲出液の量・大きさ・炎症や感染の有無・肉芽組織の形成の状態・壊死組織の有無とポケットの有無などをもとに治療方法を決定します。

※傷などの炎症部位の毛細血管からしみ出してくる血液成分のこと

 

  • 褥瘡の治療

全身療法

栄養状態など全身状態を把握し、血清アルブミン値(<3.0g/dL)や血清総コレステロール値(<150mg/dL)などを目安に積極的に栄養を補給します。そして、微量元素やビタミン剤の補給も同時に行います。また、発熱がある場合に創部感染の可能性があるので、培養をおこない菌を検出、潰瘍周囲の炎症状態、白血球上昇.炎症反応亢進を伴う場合は抗菌薬を投与します。

局所療法

壊死組織の除去、感染の制御,湿潤,ポケットの解消を念頭に、褥瘡患部に塗ったり吹き付ける外用薬と呼ばれるものが使われます。

壊死した組織を取り除きやすくするためのもの、細菌の感染を治療するものや肉芽・上皮の形成を促進させる薬剤が治療の中心となりますが、重要なのは薬効成分以外の添加物の性質です。褥瘡部位にしみ出してくる滲出液には傷の治癒に必要な成分が含まれているのですが、多すぎる浸出液は傷周囲の正常な皮膚をふやかしてしまい弱くする欠点もあります。その浸出液の量を添加物が吸収したり適度に保つことによりコントロールします。

壊死組織、炎症・感染が薬を使った治療により取り除かれた後は、滲出液のコントロールをドレッシング材により行うことで治療する方法もあります。