Q.褥瘡(ジョクソウ)とは?

a-1皮膚が長時間続けて圧迫されることにより、圧迫されている部位の血行が悪くなり、皮膚がただれたり、傷ができてしまうことです。一般的には「床ずれ」とも呼ばれます。

寝たきりなどでベッドのマットにより圧迫されたり、車いすの座面により圧迫されることなどによる発症がよく知られています。

褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっていたら、人差し指であかくなっている部分を3秒軽く圧迫し、白っぽく変化するかどうかを確認します。白くなり、指を離すと再び赤くなるのは褥瘡ではなく、押しても赤身が消失せず、そのままの状態であれば、初期段階の褥瘡です。褥瘡の可能性がある場合は医師または薬剤師に相談しましよう。

作成年月日:2016.2.19

【日本原店 医薬品情報管理室】

スキルアップ

健常な人では、寝ているときに無意識に寝返りをうったり、長時間椅子に座っているときにお尻を浮かせたりすることで、同じ部位に圧迫が続かないようにしています(体位変換)。しかし、体位変換を自分で行えない場合は、同じ部位に長時間の圧迫が加わることで血行が滞り、細胞に栄養や酸素が十分に行きわたらなくなり褥瘡の発生につながります。仰向けに横になった状態で仙骨(背骨の付け根にある大きな三角形の骨)にかかる圧力は約150mmHg(1平方センチメートル当たり約200gの圧力)、椅子に座った状態で座骨にかかる圧力は約500mmHg(1平方センチメートル当たり約680gの圧力)といわれています。

直接の圧迫以外にも、褥瘡を発生しやすくする要因があります。加齢による皮膚のバリア機能低下など皮膚の問題、栄養状態の悪化や持病の影響などの全身の問題、さらに、介護のマンパワー不足や情報不足などの社会的な問題も褥瘡を発生させやすくし、治りにくくする原因となっています。