Q.目薬なのにどうして全身の副作用がでるの?

目薬をさすと目薬は目の表面にある涙と混じり合い,薬も涙と一緒に喉のほうへと流れていきます。流れた薬は鼻の粘膜から吸収され,内服した時と同じような全身性の副作用を起こすことがあります。点眼した後すぐに目頭を押さえておくと,副作用を防ぐことができ薬の効果も高くなります。

点眼薬の移行ルート
点眼薬は溶液,懸濁液または軟膏の剤型で投与し,①眼内に移行 ②涙点から鼻涙管を通って鼻腔から咽頭部,消化管へ流出 ③結膜嚢から眼外へあふれでる のルートをたどります。このうち眼内に移行するものは,角膜や結膜を通って眼球内部さらに後部へ移行するものと結膜や眼瞼の脈管系より全身循環へ移行するものがあります。涙点から排出された点眼液は,一部全身循環へ移行するので全身性の副作用が現れることもあります。

涙液の流れ
涙は絶えず涙腺から出て,目の表面を潤したり埃などを洗い流したりしています。涙腺から分泌された涙液は,まばたきによって眼球の表面を潤しながら内眼角部(目頭)に集まり,その後上下にある涙点から吸い込まれ,涙小管,涙嚢,涙液管を通って鼻腔から咽頭部,消化管へと流れていきます。

作成年月日:2011.5.2
【医薬品情報管理室, 学術チーム】