Q.3年前に肺炎球菌ワクチンを注射しています。効果は5年と聞いていたのに肺炎になってしまいました。どうして?

ニューモバックスNP注は,93種類ある肺炎球菌のうち高頻度に発症する23種類の血清型に対応している製剤であり,約80%の肺炎感染症に有効といわれています。肺炎球菌以外の細菌による肺炎には効果がありません。また,肺炎球菌であっても特殊な型には効果がない場合もあります。一方,肺炎球菌による感染症である扁桃炎には予防効果があります。

ニューモバックスNP注(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)は,1回0.5mLを筋注または皮下注します。接種後,免疫(抗体)ができるまでは,約1カ月かかり,健康な人では接種後約5年間免疫が持続するとされています。1年中どの時期でも接種することができます。しかし,接種により上昇した特異抗体濃度は,時間の経過とともに低下します。特に高齢者や糖尿病患者,呼吸器・循環器に基礎疾患を有するなど,免疫力がおちている方ではワクチンの効果が低下しやすい傾向にあり,再接種が必要となります。初回接種から5年以上経過した人で,肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険性が極めて高い者および肺炎球菌特異抗体濃度が急激に低下する可能性のある者は,再接種が勧められています。他のワクチン製剤との接種間隔については,生ワクチンの接種を受けた者は通常27日以上,また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は通常6日以上,間隔をおいて本剤を接種します。
インフルエンザにかかると肺炎を引き起こしやすくなるので,インフルエンザワクチンも接種することでより高い肺炎予防効果が期待できます。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので,6日以上あければ肺炎球菌ワクチンを接種することが可能です。
また,肺炎球菌ワクチンを接種した後にインフルエンザを接種する場合も6日以上の間隔をおいて接種します。

作成年月日:2011.2.15
改訂日:2018.8.7
【医薬品情報管理室, 学術チーム】