私たちが今できるウイルス対策

国内外で拡大している新型コロナウィルス感染。消毒に有効である「消毒用アルコール」が売り切れになっていることもあり、消毒に困られているという声をよく耳にします。

家庭でできる感染予防で最も大切なことは、流水そして石鹸により丁寧に手洗いを行うことです。

ウィルスの特徴と消毒薬

ウィルスの特徴についてです。ウィルスには「エンベロープ」と呼ばれる外膜を持つか持たないかで「エンベロープウィルス」と「ノンエンベロープウィルス」に分けられ、例えば今回の新型コロナウィルスやインフルエンザウィルスはエンベロープウィルスに、ノロウィルスやアデノウィルスは、ノンエンベロープウィルスに該当します。重要なのは、このウィルスの種類によって有効な消毒方法が違うということです。コロナウィルスのようなエンベロープウィルスはアルコール消毒が有効であり、それゆえに現在あちこちで消毒用エタノールが売り切れになっているわけです。

ここで、注目されているのが、次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸ナトリウムを溶解した溶液による消毒になります。いずれも消毒用アルコールやイソジンなどのポピドンヨードと同じ「中水準消毒液」に分類され、ウィルスや細菌に対して消毒が可能です。

次亜塩素酸電解水と、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)との違い

次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)

次亜塩素酸ナトリウムは、希釈して使用し、強アルカリ性を示し、家庭用に販売されている液体の塩素系漂白剤、殺菌剤(台所や洗濯用、哺乳瓶の殺菌用など)に使われています。使用時はゴム手袋の着用と他の製品と混ぜないように注意書きがあるように、誤った使い方をすると非常に危険な場合があり、取り扱いには注意が必要になります。通常、調理器具、トイレのドアノブ、便座、衣類等の消毒には、約0.02%(200ppm)濃度の希釈液を使用します。一方で、感染の疑いのある嘔吐物やふん便が付着した物に対しては0.1%(1000ppm)の溶液を使用します。

次亜塩素酸「電解水」

次亜塩素酸「電解水」は、塩酸または食塩水を電気分解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液であると厚生労働省は定義をしています。次亜塩素酸ナトリウムとの違いは、溶液中での存在状態に違いがあります。次亜塩素酸ナトリウムは、pHが強いアルカリ性なので成分の多くはイオンの型で存在しているので、次亜塩素酸の殺菌力は次亜塩素酸イオンの殺菌力効果より80倍高いといわれ、次亜塩素酸の方が高い効果を示します。そのため、食品や調理器具の消毒剤として使用する際は、次亜塩素酸ナトリウムであれば100ppm以上の濃度が必要であるのに対し、次亜塩素酸電解水であれば10~60ppmという低濃度でほぼ同等の効果がみられます。

安全性について

次亜塩素酸電解水は、弱酸性なので手肌にやさしい除菌剤です。弱酸性かつ低濃度ですので、室内空間の感染予防対策にも使用できます。においの元となる細菌・ウィルスなどのたんぱく質を分解して消臭します。

保管について

次亜塩素酸ナトリウムとは異なり、次亜塩素電解水はスプレーにより使用可能です。ただし、光によって分解されるので、密封することのできる遮光容器にて使用してください。金属性の容器は使用しないようにしてください。また、35℃以上の高温の部屋や車の中で保管しないようにしてください。

 

以上の注意点を守り、次亜塩素電解水を使い、除菌し、感染予防につとめましょう!