Q.1回の点眼滴数は何滴が適当ですか?

確実に点眼できれば,点眼滴数は通常1回1滴で十分です。
1滴以上点眼しても,眼の外へあふれ出たり,鼻の方へ流れでたりします。

健康成人の目覚めている時の涙液分泌量は約1.2μL/分。点眼液の1滴量は30~50μLの範囲内です。結膜嚢の最大保持能力は約30µL,涙液量は約7μLであるため,点眼液量を増やしても大部分は結膜嚢から眼外へあふれ出るか,まばたきによって涙液と混じり合い,涙液の流れと同様に涙点から涙嚢を通って鼻涙管へ排出されます。
目薬の一部が目頭にある管をとおって鼻の方へ流れ,鼻腔から咽頭部,消化管へと流れていますが,涙道を通る間に一部鼻涙管粘膜から全身循環に移行し,全身性の副作用として現れることもあります。むやみに点眼滴数を増やす必要はありません。これを防ぐため,点眼後,目頭をおさえ,静かにまぶたを閉じて,しばらくまばたきをしないようにします。さらに結膜嚢から眼外へあふれ出た点眼液は,その成分や添加剤により結膜や眼瞼皮膚などに炎症を起こす可能性もあるので,あふれた点眼液は清潔なガーゼやティッシュでふきとるなどの注意が必要です。
*結膜嚢内洗浄目的で2~3滴点眼することがあります。

【医薬品情報管理室】