Q:ノロウイルスについて教えてください。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な人は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化することがあります。現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。体力の弱い乳幼児・高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行い、脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。
床等に飛び散った吐ぶつやふん便を処理するときには、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように注意しながらペーパータオル等で拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
作成年月日:2020年7月8日