Q亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いを教えて下さい。

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は名称が似ておりますが、異なる特徴を持ちます。

亜鉛華軟膏は1g中に酸化亜鉛を200mg含有し、亜鉛華単軟膏は1g中に酸化亜鉛を100mg含有します。例外として,サトウザルベ軟膏は,亜鉛華単軟膏ですが,酸化亜鉛の濃度10%と20%があります。

その点以外に、大きな違いは、亜鉛華軟膏は、基剤は白色ワセリンであり,乳化剤(面活性剤)としてソルビタン、セキスオレイン酸を含むので、水分を吸うという特徴があります。亜鉛華単軟膏は,基剤は単軟膏であり,乳化剤を含有しません。

酸化亜鉛は塗布した部分を乾燥させます。したがって, ジクジクとした場所には、酸化亜鉛を多く含む亜鉛華軟膏の方が適します。患部のジクジクが解消してくれば、乾燥を促すために、亜鉛華単軟膏に切り替えた方が早く治ります。

患部のジクジクが改善したにも関わらず、亜鉛華軟膏を過度に使い続けてしまうと、過乾燥となり、痒み等を生じてしまうことがあります。皮膚の状態にあった、塗り薬を選択してもらうようにしましょう。

乳化剤(界面活性剤)とは?

界面活性剤は、1分子中に親水基と疎水基をもつ物質の総称です。通常、油性成分と水性成分は混ざらず、そのままでは分離しますが、界面活性剤を添加することにより油―水の界面で界面活性剤の親水基が水に、疎水基が油に浸されて配合し、水と油をつなぐ役割を果たすことによって混和できます。

一般的には、親水性に富む界面活性剤(O/W型乳化剤)はO/W型の剤形に用いられ、疎水性に富む界面活性剤(W/O型乳化剤)はW/O型の剤形に用いられます。

【医薬品情報管理室】